心臓弁膜症
Valvular disease of the heart
心臓弁膜症とは
心臓疾患の中で狭心症や心筋梗塞に次いで多い病気です。心臓にある弁(血液の逆流を防ぐ)に障害が起き、本来の役割が果たせなくなった状態のことをいいます。症状の軽いものから、命にかかわるほど重症なものまでさまざまあります。早期発見、早期治療を行えば殆ど治る病気です。
心臓弁膜症の症状
弁膜症は怖い病気で、自覚症状がない場合が多いのです。弁膜症によって血流に異常が生じても心臓はそれを代償しようと様々な対応をします。そのため、表立った症状がでないことが多いのです。また、じわじわ症状が進行するので身体のほうが慣れてしまい、症状に気づきにくいこともあります。
症状は動悸、息切れ、疲労感、全身倦怠感、呼吸困難、下肢のむくみ(浮腫)などがあります。
心臓弁膜症の原因
- リウマチ熱の後遺症
- 加齢による変性
- 大動脈瘤などの大動脈疾患
- 動脈硬化
- 原因不明なものも多い
以前は、リマウチ熱の後遺症により起こる場合が多かったのですが、最近の抗生物質の普及と治療により原因としては減ってきました。現在では加齢に伴う変性(高齢のため組織が弱くなること)や動脈硬化(動脈硬化で血管と同様に弁も硬くなること)が原因となることが増えています。また心不全に伴う機能性弁膜症(弁自体は異常がなくても弁の支持組織などに病変があり起こる弁膜症)もあります。
心臓弁膜症を放置していると
心臓弁膜症はじわじわ進行していきます。そのため、軽症~中等症で特に自覚症状がない場合には定期的な診察、検査で経過をみていきます。中等症でも自覚症状がある場合には内服薬治療を行っていきます。重症では手術を検討しなければなりません。まずはクリニックを受診し検査を受けましょう。