ABC検診(胃がんリスクスクリーニング)とは
ABC検診とは、「ピロリ菌感染の有無」と「胃粘膜の萎縮の程度」を測定し、胃がんになりやすい状態かどうかをA~Dの4群に分類する検査です。
検査方法は血液検査による簡便な検査ですので、バリウム検査や胃カメラを行うことに抵抗がある方にもお勧めです。当日のお申し込みも可能です。
※がんそのものを見つける検査ではありません。
今まで、日本人のがん死亡数第1位は胃がんでしたが、昨今の治療方法向上で男性は肺がんに続き第2位、女性は第3位となっています。
厚生労働省の統計によると、胃がんによる死亡数は例年、男性が3万人、女性が1.7万人程度と非常に多い傾向にありますが、早期発見することができれば内視鏡などで治療することができます。
ピロリ菌は、らせん状の細菌で、人の胃の中にしか生息しません。このピロリ菌は幼少時に感染し、持続的に胃粘膜の炎症を起こしていき、慢性的に胃の粘膜が炎症していると胃粘膜がうすく萎縮した「慢性萎縮性胃炎」になっていきます。
ピロリ菌に感染すると、胃がんを含め胃潰瘍や十二指腸潰瘍など様々な胃の病気になりやすいので、そのリスクを下げるために除菌治療をお勧めします。
胃がんになりやすいかどうかは、「ピロリ菌抗体検査」と胃粘膜の萎縮度を確かめる「ペプシノゲン検査」で判定します。
ペプシノゲンとは、胃粘膜から分泌される酵素「ペプシン」の元になる物質で、胃粘膜が萎縮するとその値も低下してしまいます。ペプシノゲンのほとんどは胃の中に分泌されますが、一部血液中にも入ることから血液検査で確かめることができます。
萎縮性胃炎は「胃がんの温床」と言われ、胃がんだけではなく胃潰瘍や十二指腸潰瘍になるリスクが高いので、ペプシノゲン陽性(高度萎縮)と判定された方は、すみやかに内視鏡検査を受け「ピロリ菌感染胃炎」が確認された場合には除菌治療をお勧めします。
胃がんになると、手術や検査、入院費用などで高額な治療費がかかってしまいます。胃がんの手術では、早期がんでも約80万円、抗癌剤治療では200万以上になります。
胃がんになる前に危険度を知り、定期検診やピロリ菌の除去の除菌治療をお勧めします。
※金額は目安となります。また、自己負担額は加入している公的医療保険によって異なります。